セラピーに来る人達は、「自分を苦しめる何かを変えたい!」と思って来られます。
その人をあきらかに苦しめている過去のトラウマがある場合は、催眠療法などで
比較的簡単に解決できることがあります。
ただ、ちょっと人によっては、何かを変えることは複雑になってきます。
その人の慢性的な症状、くせや、行動のパターンです。
ただし、その人が心の底から変化させたいと思っている場合は、慢性的なもの
でも数回のセッションでよくなったりします。
いろんなクライアントさんが短期間で変化を経験されています(体験談を読むにはここをクリック)。
しかし、問題なのは、その人が心の底から変化させたいと思っていない場合です。
心の底から思っていない場合は、何か今の状態にありつづけることによって、不本意
ながらも何らかの利益を得ている場合です。
たとえば、親の支配に悩んでいて、独り立ちしたいと悩んでいる人がいたりします。
セラピーである程度、親にとらわれない、自分の好きな生き方をするのに抵抗のない心の
状態に持っていくことはできます。が、実際に独り立ちするまで行かない人もいます。
それにはいろんな要因があります。例をあげると、親と暮らすことによって、あまり給料
のいい仕事につかなくても比較的裕福な生活のレベルを保てる。何かと親に守ってもら
える。一人暮らしの寂しさに耐えたり、友人を新しく作って自分の世界を作っていく「面倒
がない」などです。
確かに、その人によって親と暮らし続けることはつらいことかもしれませんが、少なくとも
そのつらさに慣れているので未知の部分がないので楽なのです。それが、親と離れると
いうことは、「未知の世界に飛び込む」ということです。自分でお金の管理をしたり、自分
でいろんなことを決断したりして、失敗しても自分で責任を取らなければいけない場面も
出てくるかもしれません。もちろん、そういう経験を経て、人間は成長していくものですし、
「自分で自分の責任を取る」ことの快感も覚えていくものです。
もし、その「未知の世界」に行くことの恐怖やそこに行くことによって失うものが、変化を
起こすことの快感を上回ると本人が信じている場合、残念ながら、その人は変化できません。
もちろん、変化を起こすのが快感になるような心の状態に持っていくセッションをするの
がセラピストの役目ですが、そのセラピーをすること自体にもクライアントが抵抗を表す
場合は、無理強いはできません。まだそのクライアントには準備ができていないという
ことです。
親と暮らすことが本格的につらくなるような事件が起こるまで待った方がいいかもしれません。
これは、親の立場からも同じことが言えます。子供にいつまでも過干渉でいる親は、
子供が自分の手を離れて、「妻と夫二人だけの人生プランを計画したり、楽しんだり
すること」をするのが面倒だったり怖かったりするのです。少なくとも子供を構っている
間は、「いつまでも心配な子供を持つマジメな親」というメンツも保てますから。
もし、ずっと変えたいと思っているくせ、行動、思考パターンがあるのになかなか変えられ
ない場合は、「その問題を持つことによって得ている利益」について考えてみるといいか
もしれません。
次回は同じ現象を恋愛について書きます。